腰痛とオートバイ
十代の初め頃から、腰が痛く腹筋をしても腹よりも腰が突っ張って痛くなった。それが長じてから症状はもっと重くなり、目の痛みと頭痛がひどくなり、さらに肩が凝るなどというものではなく、コンクリートのように固くなっていた。
あるときついに立てなくなって、一度腰が痛むと、全身に電流が走ったようにならなければ、起き上がることさえできない状態が続いていた。
病院へは数十回行ったが(まあ、年に1度か2度)、レントゲンではなにもなく、世間話をしてシップを貼って腰痛ベルトを渡されるだけだった。なかには、痛いから何とかしろ、というと、痛くないように生活しろ、と暴言を吐く医者まででる始末だった。
圧巻だったのは救急車である。夜、救急車を呼ぶと、わざと名前や住所などを言い間違えたりして、さんざん嫌がらせを受けた。結局、救急車は来なかった。
そこで、レントゲンに映らなければ映るようにしてやろうと、腰を酷使することに決めて、オートバイにのることにした。すでに五十歳になっていた。
バイクは125CCのマニュアルである。その方が重くていいと思ったからだった。教習所へいくと、指導員全員が下手くそ呼ばわりを平気でするばかりか嘲笑し、なかには怒鳴るバカまででる始末。絶対に免許を取らせまいとしているのがありありと見て取れた。
そんな中で、腰を何とか、という思いが強く、ようやく125CCのスクーターだけは取れたので、スクーターを買って腰を痛めつけ続けた。
その甲斐があって、空気の中を泳いでいる、という恰好になった段階で病院へいった。そこでは脊椎管狭窄症という診断がでて手術を受けることになったが、こちらとしては単なるヘルニアだと言い張った。この段階でもまだレントゲンとMRIでヘルニアは映らなかった。
手術時間は6時間半。三時間は脊椎管狭窄症、残りはヘルニアの摘出手術だった。切開してみないとヘルニアの存在がわからなかったらしい。
2週間経ったが血が止まらず、再度、緊急手術を受けてなんとか1ヶ月で退院となった。
すでに目と頭と肩の痛みはすっかり消えて、最初の三か月間は、落ち武者か、というようなコルセットを巻いていたが、それが過ぎると、ふつふつとオートバイの免許の怒りがこみ上げてきた。たかがオートバイで、ああまで糞みそに馬鹿にされるいわれはないだろう。
そこで、別の教習所で中型免許、もちろんマニュアルを取ることにした。ここではとてもスムーズで、教官も丁寧な指導をしてくれ、規定より2回多く、そのうちの1回は試験前の自主練で、無事免許をとることができた。
早速250CCのマニュアルバイクを買って腰のリハビリとともに、おもに峠道だが(そこしか道がないといえばないところに住んでいるので)、左右に体重移動をさせながら、なんとか転ばずに1年で8000キロほど走った。もっとも数回は土手に突っ込んだが。
オートバイは健康なら楽しいのだろうが、こちらとしては腰の痛みとリハビリという目的なので、心底楽しいとは思えなかった。やたら寒いし、夏は暑いし、衣服は長袖、長ズボンで、そのなかにプロテクターを挟み込んだりして、快適とはほど遠いところで運転していた。
十代の初め頃から数えると40年ほど経って、ようやく満足な目と頭と肩を手に入れることに成功し、その意味ではオートバイ様々なのだが、楽しみという点では大したことはなかった。
やむを得ない場合を除いて、オートバイは楽しみとして乗るべきものであり、これが車とは違うところである。必需品というわけではないのだから。
病院食
入院した病院は、それでもほかの病院と比べて、病院食は美味いという評判が立っていたが、実際は大したことはなかった。
病院食では、看護師がなんと言おうとも、あるいは栄養士がどう指導しようとも、必需品はある。
ご〇んですよ、醤油、マヨネーズ、ふりかけ。
これを病院食の四種の神器と言わざるを得ない。
同じ大部屋の馬鹿が、ふりかけで飯を食っているのを見とがめて、栄養士が云々と講釈し始めたが、大人の対応で、無視してやった。
病院食は薬だと看護師はいうが、どんな薬だろうと喰わなきゃ意味はない。米など不味くて喰えたもんじゃなく、残すと、再び病室まで持ってきて無理にでも喰わせるのである。ここで登場するのが、ご〇はんですよ、と、ふりかけ、である。この2大救援部隊の助けが是が非にでも必要となる。
ここで重要なことは、いかに看護師に見つからずにこの2つを飯と一緒に喰うか、ということである。見つかると取り上げられてしまい、帰りに返してくれるのだが、そのときには後の祭りである。
ビタミン剤も同様で、下手に見つかると説教されたうえで帰りに返してくれるのである。
病院のいいつけを守らないこっちが悪いといえば悪いのだが、しかし、あの飯をそのまま喰うには結構な覚悟がいる。
病人のくせに贅沢だと思うだろうが、そういう奴は1週間病院食で過ごしてみればいい。決して大げさな話ではないのである。
あと、病院食から外れるが、入院で結構忘れがちになるのが爪切りである。何日入院するのかがわからないので、爪が伸びたときナースステーションへ行っても貸してくれないのである。そういえば耳かきなども同様である。
入院の初日はまあ物珍しさも手伝ってなかなか愉快なのだが、2日目以降は同じことの繰り返しで、唯一の楽しみである食事にしても、かような有様なので、やはり多少のことはあっても入院は避けた方が賢明なのかもしれない。
プロテクター
ここで紹介するのはオートバイのプロテクターである。なかにはヘルメットを紐もつけずに頭に載せるだけで済ます人もいるが、やはり、事故のことを考えるときちんとした格好はすべきである。ここではインナープロテクターとジェットヘルメットだけ紹介するが、手袋とブーツは必需品であると考えて欲しい。
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