論理パズル 中世 解析問題の登場

はじめに

古代と中世には論理のみを扱う問題が多い中、ようやく「論理的に考えて解く問題」が登場した。(ただし、文書で残っているという意味で)

「論理のみ」を扱う問題というのは、高校の数ⅠAの集合と論理、場合の数と確率などをパズル形式にしたものと思えばいい。

このサイトでは解析問題(論理的に考えて解く問題)のみを演繹と帰納を使って扱うことを目的としている。現代の論理パズルはすべてこの解析問題といっていいだろう。

従って、歴史的な問題の配列を心掛けているが、問題によっては採用しないものもあり、また歴史的な系列で俯瞰した場合に、とびとびになっていることをお断りしておく。

演繹の道具

Xmindの論理図。演繹の道具

川渡り問題(狼、ヤギ、キャベツ)

問題

ある人が、狼1匹、ヤギ1匹、キャベツ1個をボートで川の対岸へ運ばなければならない。ボートには人1人ともの1つしか乗せられない。

ヤギとキャベツを一緒に残すことはできない。(ヤギがキャベツを食べてしまうので)

狼とヤギを一緒に残すことはできない。(狼がヤギを食べてしまうので)

ある人はどうやってこの3つのものを対岸へ運ぶことができるか。最短手数回を求めよ。(論理パズルの解析問題は常に最短手数回を求める) 

解答

Xmindの論理図

この図のよると対岸に残せるのは狼とキャベツである。従って、ヤギを一番先に運ぶ必要がある。←と→は岸へ運ぶことを意味する

元の岸       対岸

ヤギ    →      (元の岸に残った狼はキャベツを食べない)
      ←   空荷

キャベツ  →   ヤギ (対岸でヤギとキャベツを一緒にはできない)

      ←   ヤギ

狼     →   キャベツ(対岸で狼はキャベツを食べない)

      ←   空荷

ヤギ    →  

問題(自作問題)

上記の問題で、ヤギも狼も泳げるものとする。ボートを1回だけ使ってすべてのものを運ぶにはどうすればいいか。

ただし、川の中でも狼とヤギを一緒にすればヤギは食べられ、ヤギとキャベツを一緒にするとキャベツは食べられてしまう。

また、船の中からは川の中のものを食べられないとする。

解答

狼にヤギが食べられないようにするには、どちらかを泳がせる必要がある。

狼はキャベツを食べられないので、ヤギを泳がせる。

船のなかは1つしか運べないので、狼とキャベツを別々にするわけにはいかない。

従って、狼にキャベツを括りつけて1つのものとすればいい。

川渡り問題(大人の男女と子供が2人の場合)

問題

大人の男女A、Bと子供2人a、bがボートで対岸へ行く。

ボートには大人1人か子供2人しか乗れないが、こども1人でも乗れる。

全員が対岸へ渡る手順を示せ。

解答

Xmindの論理図

元の岸   対岸

a、b  →

    ← a

A    →

              ← b

a、b       →

              ← a

B            →

    ← b

a、b       →

川渡り問題(3組の兄妹)

問題

3組の兄妹が1つのボートで対岸へ渡る。ボートには1人か2人しか乗れない。また、自分の兄がいなくて他の男性がいる状況になってはいけない。

全員が対岸へ渡る手順を示せ。

解答

いま3組の兄妹をB1,S1、B2,S2、B3,S3と置く。(BはBrother,SはSister)

Xmindの論理図

元の岸           対岸

B1,B2,B3,S3  S1,S2→

B1,B2,B3,S3  ←S1     S2

B1,B2,B3    S1,S3→        S2

B1,B2,B3            ←S1                  S2,S3

B1,S1                 B2,B3→             S2,S3

B1,S1                 ←B2,S2             B3,S3

S1,S2                 B1,B2→     B3,S3

S1,S2                 ←S3     B1,B2,B3

S1                     S2,S3→      B1,B2,B3

S1                     ←B1                   B2,S2,B3,S3

                         B1,S1→    B2,S2,B3,S3

容器と液体の問題(最短手順7回)

問題

8リットルの容器Aに水がいっぱいに入っている。これを5リットルBと3リットルCの空の容器を利用して、4リットルづつ2つの容器に分けなさい。

ただし、注がれている容器がいっぱいになるまで注ぐこと。注いでいる容器が空になるまで注ぐこと。

解答

Xmindの論理図


何から 何へ    結果

A →  B  (Aは3ℓ、Bは5ℓ)

B →  C  (Bは2ℓ、Cは3ℓ)

C →  A  (Cは0ℓ、Aは6ℓ)

B →  C  (Bは0ℓ、Cは2ℓ)

A →  B  (Aは1ℓ、Bは5ℓ)

B →  C  (Bは4ℓ、Cは3ℓ)

C →  A  (Aは4ℓ、Cは0ℓ)

容器と液体の問題(最短手順は9回)

問題

10リットルの容器Aに水がいっぱいに入っている。これを7リットルBと3リットルCの空の容器を利用して、5リットルづつ2つの容器に分けなさい。

ただし、注がれている容器がいっぱいになるまで注ぐこと。注いでいる容器が空になるまで注ぐこと。

解答

Xmindの論理図

何から 何へ    結果

A →  B  (Aは3ℓ、Bは7ℓ)

B →  C  (Bは4ℓ、Cは3ℓ)

C →  A  (Cは0ℓ、Aは6ℓ)

B →  C  (Bは1ℓ、Cは3ℓ)

C →  A  (Cは0ℓ、Aは9ℓ)

B →  C  (Bは0ℓ、Cは1ℓ)

A →  B  (Aは3ℓ、Bは7ℓ)

B →  C          (Bは5ℓ、Cは2ℓ)

C →  A          (Aは5ℓ、Cは0ℓ)

容器と液体の問題(3等分・手順は6回)

問題

24リットルの容器Aに水がいっぱいに入っている。これを13リットルBと11リットルCと5リットルDの空の容器を利用して、8リットルづつ3つの容器に分けなさい。

ただし、注がれている容器がいっぱいになるまで注ぐこと。注いでいる容器が空になるまで注ぐこと。

解答

Xmindの論理図

何から 何へ    結果

A →  C  (Aは13ℓ、Cは11ℓ)

A →  D  (Aは8ℓ、Dは5ℓ)これでAは決定。

D →  B  (Dは0ℓ、Bは5ℓ)

C →  B  (Cは3ℓ、Bは13ℓ)

B →  D  (Bは8ℓ、Dは5ℓ)これでBは決定。

D →  C  (Dは0ℓ、Cは8ℓ)これでCは決定。

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