ダッシュボード 作り方 Power BI編 改訂版

ダッシュボードの作り方、Power BI編 part1、part2で扱った、年度4月始まりを改訂して、年度1月始まりとすることによって、経営ダッシュボードのグラフを手直しした。一番の違いは年度テーブルを廃止して、デフォルトのカレンダーテーブルを使ったことである。

デフォフルのカレンダーテーブルは意識しなくても、本体のなかに年月日(日付)があれば、自動的に追加される。

画面右端のフィールドにある年月日に自動的に追加されたカレンダーテーブル

目標とするダッシュボード

新しく作ったPower BIによる経営ダッシュボード

レベルゲージ・カードビジュアル

ダッシュボードの作り方、Power BI編 part1で作成したものでOK。これは年度が1月始まりだろうと4月始まりだろうと関係ない。

注意

ExcelとPower BIにはKPI指標がある。これは達成率に応じて色が変化するというだけであり、正直いうとパッと見でわかるグラフではない。グラフ作成に手数がかかる割に、大した効果はなく、グラフ自体も見ずらい。
ダッシュボードのグラフはパッと見でわかるグラフでなければならない。KPI指標の代わりにレベルゲージとカードビジュアルがあれば十分である。
くれぐれも、わかりずらいグラフを手数をかけて作成することはやめること。

完成したカードビジュアルとレベルゲージ

売上移動平均

視覚化のX軸に年と月を入れ、Y軸に売上の合計を入れる。
ここで、X軸に年を入れた段階で、年月日が自動的に入る

これにクイックメジャーを仕掛ける。

ホームのクイックメジャーを左クリックする

このような画面がでる

計算を選択してくださいの右端の矢印を左クリックして、下に移動し、
移動平均を見つけたら左クリックする

このような画面がでるので、基準値に本体から売上をドラック、日付に年月日をドラック、期間に右端の矢印から「か月」を選択し左クリック、前の期間に3を入力、
後ろの期間に0を入力する

OKを押す

これがクイックメジャーで作ったDAX式である。邪魔なのでEscを押す

先ほどの画面(グラフを左クリックすればよい)に売上移動平均をY軸に入れる

このような画面がでたら、ダッシュボード 作り方 Power BI編のpart1で解説した
色をつければOK

忘れた方のために、念のため作成方法を書いておく。

ビジュアルの書式設定のビジュアルで、Y軸を左クリックしタイトルをoff、
第2Y軸と凡例をoff、行で売上移動平均の色を右端の矢印を左クリックして赤に変更する

ビジュアルの書式設定>全般>タイトル で図のように変更を加える

ビジュアルの書式設定>全般>効果>背景 で色の右端の矢印をクリックして黒にする

グラフのグリッド線が邪魔なので消す

グラフを左クリックし、ビジュアルの書式設定>ビジュアル>グリッド線
の横と縦のチェックをoffにする

あとは、X軸とY軸の数値を白に変更する
ビジュアルの書式設定>ビジュアル>X軸とY軸のそれぞれの色を右端の矢印をクリックして白を選択する

完成した売上移動平均のグラフ

前年同月比

ダッシュボード 作り方 part2 で解説した通りの手順でOK。

ただし、DAX式は以下のように変わる。

前年同月比 = DIVIDE(SUMX('fマスタData',[売上]),CALCULATE(SUMX('fマスタData',[売上]),SAMEPERIODLASTYEAR('fマスタData'[年月日].[Date])))

あとは、ダッシュボード 作り方 part1で解説した色をつけるを実行すればよい。ここでは、忘れた方のために、さわりを記述しておく。

ビジュアルの折れ線>X軸とY軸に図のように入れる

ビジュアルの書式設定>Y軸のタイトルをoff>第2Y軸をoff

ビジュアルの書式設定>全般>タイトルで図のようにする

ビジュアルの書式設定>全般>効果 を図のように設定

この段階で、グラフは図のようになる。X軸とY軸を白に変えて、X軸のグリッド線を消し、
Y軸のグリッド線を赤に変える

ビジュアルの書式設定>ビジュアル のX軸、Y軸、グリッド線を図のように変える

完成した前年同月比のグラフ
クイックメジャーを利用する方法

クイックメジャーを利用すると、この場合は下がり分を計算してくれる。

計算に前年比の変化、基準値と日付に本体から売上と年月日、期間数を1に設定
してOKを押す
Y軸に売上YoY%を入れると、グラフは右のようになる。あとは色をつけて完成である

完成したクイックメジャーを利用した前年同月比のグラフ

クイックメジャーを利用したグラフは増減分を表示している。前年より40%減でその後0%となっているが、ダッシュボード グラフと解釈 で解説した通り、0%は前年と同じ推移を示しているのである。(グラフと解釈では100%ラインとして解説した)
どちらがグラフとして優れているか、ではなく解釈しやすい方を選択して欲しい。

年次累計

クイックメジャーを利用して作成する。

ビジュアルのビルド>X軸 に図のように年、月を入れる。(年月日は自動で入る)

クイックメジャーを作成する。

Power BIメニュー>ホーム>クイックメジャーを左クリック

クイックメジャーのメジャーの画面が開いたら、計算の項に右端の矢印をクリックして年度累計を選択し、基準値と日付に本体のデータを図のように入れ、OKを押す

クイックメジャーで作成したDAX
Y軸に売上YTDを入れると、グラフは右のようになる。あとは色をつけて完成である

完成した年次累計のグラフ

ウォーターフォール

このグラフは(ここでは年と分類を対象とするが)、どの分類の項目が伸びて、どの分類の項目が減少したかをひと目で確認することができる。大変便利な図である。(Excelにも搭載してあるが、ピボットテーブルから直接作ることはできないので、ピボットテーブルをセルに値貼り付けリンク貼り付けを行う必要がある)

ウォーターフォール図を選択して、カテゴリに図の値を入れる

このようなグラフができればOK。あとは色をつけて完成である

分類売上推移グラフの完成図

散布図

散布図は、ダッシュボード 作り方 part2 と同様である。

ビジュアルのビルドのX軸、Y軸、サイズに図のように値を入れると右図のようになる。これに色をつければOK

X軸、Y軸、グリッド線、背景色、タイトルまでは上手くいくと思うが、マーカーの色は次のようにすればいい。

マーカーの色の変更の仕方。カテゴリ別の色のチェックをONにする

完成した散布図のグラフ

じょうご(フィルター)

じょうご(スライサー)を選択し、カテゴリと値に図のように値を入れる

このようなグラフができれば、あとは色をつければOK。

もうひとつ、商品による個数の合計を作る。作り方は値に売上の代わりに個数を入れるだけである。

このようなグラフができれば、あとは色をつければOK

ビジュアルの書式設定にあるタイトルと効果はいつもの通りだが、それ以外は別になるので、解説をしておく。

それぞれの項目をクリックして、色を白に設定する

このようなグラフができればOK

個数も同様の操作をすれば以下のようになる。

完成した商品個数割合のグラフ

ヒストグラム

作り方は ダッシュボード 作り方 part2 で解説した手順でよい。ここでは、個数に対してもヒストグラムを作る。

ビジュアルのビルドのX軸に売上(ビン)、Y軸に売上のカウントを入れると右図の
ヒストグラムができる

売上(ビン)、売上のカウントの作り方を再掲しておく。

まずX軸、Y軸に売上を本体から入れる。

次にX軸の売上を右クリックして、グループの編集を左クリックする。

出てきた画面で、右の上から2番目をビンの数(右端の矢印をクリック)にし、一番左下のビン数を8と入力する。

Y軸の売上を右クリックして、カウント(カウント(一意の値のみ)ではない方)を左クリックする。

個数も同様にして、あとは色のつけ方を実行すればよい。

パディングを0にするため、一度売上(ビン)と個数(ビン)をテキスト型にして、その後、整数または10進数に直すのを忘れないこと。

実行結果は次のようになる。

売上と個数のヒストグラム 完成図

分類売上・分類個数円グラフ

作り方は ダッシュボード 作り方 part2 で解説した手順でよい。ここでは、個数に対しても円グラフを作る。

凡例に分類、値に売上を入れると、右のグラフができる。個数の場合は値に個数を
入れればよい。あとは色をつければOK

ビジュアルの書式設定の凡例と詳細ラベルを白に設定し、全般でタイトルと効果を変更する。個数に対しても同様の手順でできる。

完成した円グラフ

スライサー

ここではスライサーを特別に設定する必要はない。

年でスライスしたければ、ウォーターフォール図の年をクリックすればよく、商品でスライスしたければじょうご(スライサー)でスライスすればよく、分類でスライスしたければ、円グラフでスライスすればいい。

このように、Power BIのグラフ間の相互リレーション作用というものは強烈である。

まとめ

ExcelとPower BIの使い分けはどうすればいいのであろうか。

Excelであれば年度4月始まりで行えばよく、年度1月始まりであればPower BIのデフォルトのカレンダーテーブルを使用して、クイックメジャーを利用した方が楽である。

もちろん、Excelにしてもデフォルトのカレンダーを使えば年度1月始まりはできるが、ピボットテーブルの作成を考えれば、年度4月始まりをした方がいい。

Power BIは確かに年度テーブルを使えば年度4月始まりでできるが、移動平均を削らざるを得ず、またできたにしても相互リレーション作用が利くかどうかは不明である。

Power BIの移動平均に関しては、年度4月始まりでいろいろ行ったが、結局は上手くいかなかった、というのが実情である。

ExcelとPower BIで経営ダッシュボードを作成してきたが、これで終了である。

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