概 要
ここでは、売上分析に対して、一般的、標準的だと思われるダッシュボードをExcel、Power BIで作成した。
ダッシュボードの全体像を知りたい方には、最適かと思う。
Excel編
データは「日本で最も経験を積んだほか弁屋の苦境」である。
製造業のダッシュボードと比べて、追加したグラフは次の通りである。
である。
ここで注視して欲しいのは、ヒストグラムと箱ひげ図である。
総売上は小さく、個数の総計は大きい。これによって、ほか弁屋がとっている戦略は、薄利多売であるといえる。
前年度同月比は
となり、前年度より40ポイント減の60%にまで落ち、それが続いている。
この原因は
商品単価が一番高いオードブルが急落したことに起因している。この理由は感染症の拡大によって、蔓延防止策とか緊急事態宣言がだされたことにより、イベントがなくなったことである。
2020年度に入ると、イベント以外の売上と個数が伸びている。
このことから、以前の総売上を回復するのは感染症対策が解除されなければならないが、朗報としてはイベント以外の個数が飛躍的に伸びていることである。
このことから、感染症対策解除までの戦術として
- サイド、レギュラー、丼物の種類を増やし、月一ぐらいの割合で新商品を販売し、売上が伸びないものは潔く撤退する。
- 新たに開発する時間的余裕はないので、現在は販売を中止しているが、過去のレシピが残っているものに多少手を加えて販売する。
- 価格帯は400円~600円までとする。
とした。
Power BI編
ここで扱うデータは「苦境から脱出した薬局」である。
Excelと比べて情報量が少なくなっている。一枚の画面に入りきらなかったのである。
落ちているデータは
- 移動平均
- 箱ひげ図
- 分類別商品の個数
であり、新たに追加したデータは「顧客による売上」である。
商品伸び率を見てもわかる通り、2022年から23年にかけては100%のラインで、商品が全然ばらけていないのである。
これを解明するために担当者は顧客による売り上げを年度別に調べてみた。
これをみると、2021年度から2022年度にかけて新規がほとんどを占めている。
新規が多いというのは、「一度行ったからもういいか」という客が多いということである。
原因としては
- 店員の態度が悪く、商品知識もない
- 品ぞろえが悪く、どこに置いてあるのかも判然としない
- 値段もほかの店と同じか少し高い
- 薬局のわりに店内に清潔感がない
などが挙げられるだろう。
従って担当者がとった戦略は、リピーターを増やす、という方針を掲げた。
戦術として
- 店員の再教育
- 商品を少量多品種に切り替え、なるべく他店との差別化をはかる
- 他店の価格を実地に調査して、値段を下げられるものは思い切って下げる
- 照明に工夫を凝らし、店内を明るく清潔感がでるようにする
- 品物の場所がひとめでわかるようにボードの設置を進める
といったことを一年かけて実施した。
結果は良好で
と売上か伸び始め、商品伸び率も商品がばらけ始めた。
ExcelとPower BIの比較
Excelはまったく問題ない。すべてのグラフが過不足なく表示され、計算結果もグラフも間違いはない。
問題なのはPower BIの方である。
箱ひげ図がないのは、下記のブログの罠か?を参照して欲しい。
しかし、箱ひげ図などは些細なことである。ヒストグラムがあるので、なくても情報量の欠如というには、値しないだろう。
また、分類別個数に関しても、「ダッシュボード グラフと解釈」を見てみればわかるように、おそらく売り上げに比例すると考えてもいい。それに商品伸び率が十分に補える範疇にある。
最大の問題は、移動平均である。この重要な指標を落とさざるを得なかったのは、まことに痛い。
ここで行った方法では、Power BIの最大の武器であるグラフ間の相互リレーション作用が利かなかったことが原因である。
もちろん、年度4月始まりに拘(こだわ)らなければ、これほど簡単に作れるものはないのだが、ここでの作成方法で行った場合、現状のPower BIではサポートされていないのである。
Power BIの移動平均に関しては、以下の記事を参照して欲しい。
まとめ
説明しなかったグラフもあるが、新しく追加したものに関しては解説を行った。
誤解して欲しくないのは、この通りのダッシュボードを作ればこういった戦略と戦術が必ず出てくるというわけではない、ということである。
ダッシュボード自体は自由に作って構わないが、ただ、そこに載せるグラフは、何を知りたくてそのグラフを採用したのか、が明確になっていないと、役立たずのダッシュボードになってしまうことである。
ここにさえ気をつければ、どんなダッシュボードでも意味のある、そして、価値のあるものになるだろう。
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